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尿路結石Ⅰ

尿路結石について述べたいと思います。

結石はそのほとんどが腎内の腎杯部分で作られます(尿の通過障害があれば、膀胱内や尿道で作られることもあります)。図参照。

時に結石は腎杯の壁より離れて、尿の流れに沿って尿管に入ります。この時には激しい痛み(仙痛)を伴い、肉眼的血尿が出ることもあります。結石が動いている時に仙痛があり、止まると痛みも軽減します。当初背部に感じた痛みは結石の下降に伴って下腹部に移動します。尿管下端に位置する時には頻回に尿意を感じたり、排尿しても残尿感があったりします。その内に尿管口より膀胱内に排出されますと不快感は消失します。膀胱より尿の流れに乗って尿道を通過して排出されます。

うまく排石すれば良いのですが、尿管の途中で止まってしまいますと、尿の流れもせき止められ、腎盂の圧力が高まり、腎杯腎盂が腫れて水腎症となり、このまま長時間続きますと腎機能が低下し、最後には全く働きがなくなることもあります。痛みが止まったから、もう心配ないと考えてしまいますと危険なこともあります。

腎内で大きくなった結石は尿管には下降できず、時間と共により大きくなることがあります。1㎝を超える大きさでは、症状を見て体外衝撃波(ESWL)で破壊します。破壊して小結石になれば同じように排石してきます。

結石のできる原因としては食習慣、気温、仕事(汗の多い状況での仕事)、体質、病気(尿の通過障害、アミノ酸代謝異常、ホルモン分泌異常など)‥と色々あるのですが、食習慣が最も大切です。動物性たんぱく質、脂肪、アルコール、尿酸を高くする食材などは多く食べ過ぎると結石形成につながります。

水分を十分に摂ること、腹八部、寝る直前の食事、食事内容(高脂血症、高尿酸血症には特に気をつけて!)などには十分に注意していただきたいと思います。


 

尿路結石Ⅰ.jpg
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