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女性の尿道狭窄

女性の尿道狭窄(尿道が狭くなり尿が通過しにくくなる)について考えたいと思います。

閉経後の女性で膀胱炎のような症状、すなわち残尿感、下腹部の不快感、頻尿などを持つにもかかわらず尿の感染は、認めない症例にあたることが少なからずあります。男性ではその原因として前立腺炎、前立腺肥大症などが考えられますが、女性では尿道狭窄(特に外尿道口狭窄)や膀胱下垂が最も考えられます。

女性の外陰部は女性ホルモンの影響下で柔らかく弾力性に富み、みずみずしく湿潤していますが、閉経後はみずみずしさが失われ湿潤さも消退していきます。この時、外尿道口が縮小し、結果として外尿道口狭窄となり、膀胱より尿を排出するのに、より大きな仕事量を必要とするようになります。この膀胱排尿筋の仕事量が増加したことが、残尿感、下腹部の不快感、頻尿などの症状が出現することに繋がっていきます(図1)。

また時に、尿道内で尿流が渦を巻き、外尿道口付近に常在する細菌を膀胱内へ運び入れ、細菌性膀胱になりやすい状況もつくられます。したがって細菌性膀胱炎が反復する場合にも外尿道狭窄を考える必要があります。

このように外尿道口狭窄が疑われる場合にはブジアブールと呼ばれる尿道内経の計測器を尿道に挿入して測定する必要があります(図1)。ブジアブールの先端はドングリのような形をしていますが、これを尿道に入れたり出したりして、約1㎝大になるまで拡張します。鈍的に拡張できない場合は一部分切開することもあります。この処置で外尿道口が拡がりますと排尿は楽になり、症状も改善されます。

これらの症状で困っている方は専門医にご相談下さい。

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