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排尿記録

排尿記録(いつ頃排尿したか、どの位の尿量が出たか)の有用性について説明したいと思います。

表を参考にして下さい。左端に時間をとり、その時間で排尿した量を記入します。6月1日(日)と6月2日(月)のAさん、Bさんの排尿記録をとりあげました。

Aさん(女性 38才)の6月1日の排尿回数は8回、1日尿量は1,400mlです。2日の排尿回数は8回、1日尿量は2,020mlです。両日の排尿回数は同じですが、1回排尿量は全般的に2日の方が多い状態です。2日の日は友人が来て、コーヒーやお茶をいつもより多く摂りました。このため1回の尿量も増加しています。●印は寝る前の排尿や外室時の排尿で、尿意を感じたわけではないのですが、生活習慣として、排尿していますので尿量は多くありません。このような状況は多くの人にみられるものです。Aさんの排尿パターンは正常と考えられます。

Bさん(女性 80才)の排尿回数は1日15回、2日17回となっています。
終日尿量は1,130ml、1,190mlです。かなりの頻尿状況で×印は尿失禁を示しています。トイレに行くまでに間が持たないタイプで日常生活でも困っている状況です。歩行もやや不自由でバランスを崩して転倒することもあります。内科医では多発性脳梗塞と診断され、血液をさらさらにする薬を内服しています。この記録より判断して、泌尿器科的には排尿反射の亢進した状況で、治療の対象になると思われます。

正常レベルの排尿記録では個人差はあるものの排尿回数5~8回/日、1回排尿量150~400mlと思われます。ただし食事前、外室前、入浴前、就寝前の排尿のように、生活習慣にもとづいた排尿もあります。この時は尿意の無い状況で排尿していますので、量も少なく尿の勢いも弱いことが多いと思います。日常、排尿の事で困っている方は自分で排尿記録をつけていただければ、解決のヒントになると思います。冬は尿量が多く、夏は少なくなるのは当然です。

診断をつける上で、この排尿記録は有用となります。頻尿などで困っている方は是非、記録をとっていただきたいと思います。

排尿記録​

排尿記録.png
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