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頻尿と多尿

「頻尿」と「多尿」について述べたいと思います。

「頻尿」とは尿を出す回数が多い、頻回にトイレに行くことです。一回排尿量の多い少ないとは無関係で、単に排尿回数が多いことを意味します。一方「多尿」とは一日の総排尿量、一日に出す尿の総尿量が多いことを意味します。当然のことですが、一定の膀胱容量では、「多尿」であれば「頻尿」になります。逆に「頻尿」であっても、一回排尿量が少なければ一日総尿量は多くなく、「多尿」とは言えません。

個人の一日の排尿回数と一回排尿量を表にしますと、一日の排尿回数も一回排尿量も一定ではありません(表1)。したがって個人の排尿回数、一回排尿量の基準値を決めることは温度、食事や飲水の量、体温(熱があれば尿量は減少する)、その時の緊張度、生活習慣(入浴前の排尿、外室前の排尿など)、利尿剤などの内服などによって大きく影響を受けます。

Aさんがビールを沢山飲んだ場合、排尿回数も増え、一回排尿量も大幅に増えると思います。膀胱炎になった場合は、膀胱に尿が50ml程度しか貯まっていないのに漏れそうになり、何回もトイレに行きます。この時には「頻尿」ですが総排尿量は多くありません。

一方、もともとの膀胱容量が500ml以上ある人では、一日に4~5回の排尿で2000ml以上の総排尿量を出します。このようなケースでは多尿でも頻尿とは言えません。また利尿剤(ラシックス)などの薬剤では内服後15分~60分の間に大量の排尿がある。)を使用した時には薬の効いている間に大量の尿が出て頻尿になります。お茶が好きで多くの薬を飲む人は多尿で頻尿になります。強い糖尿病では糖につられて大量の水が尿となって出てきますので、脱水傾向となり喉が渇いて大量の飲水をすることになります。この場合も多尿のため頻尿となります。

以上、「頻尿」と「多尿」の違いについて色々な例をあげました。原因も種々にのぼります。日常の生活上お困りの方はご相談下さい。

 

  ●Aさんの排尿回数と一回排尿量●

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