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潜血

日本社会は今後急速に高齢化に向かってまいります。
健康で自立した状況で長生きしたいものです。

健康を守る目的で市民健診、職場の健診、学校健診などの健康診断が行われています。この中で「尿」に関する項をみてみますと潜血、尿淡白、尿糖、尿ウロビリノーゲン、尿沈査などの項目をみることと思います。本日はその内、潜血について述べたいと思います。

潜血は肉眼的には全く血の色をしていませんが、顕微鏡下で観察すると赤血球の成分を認める状態を言います。試験紙で赤血球中のヘモグロビンの反応する程度を(-)(±)(+)()()などと記載します。

この程度の差、「例えば(+)→()になったので悪くなった」などとよく気にする方がおられますが、尿の濃淡に影響されることも多く、私達からみれば程度の差が問題ではなく、陽性であることが問題と考えています。


しかし、潜血反応陽性の方が仮に100名来られて、精密検査をさせていただいたとすれば、異常所見が発見できるのは1~2%で98~99%は原因不明の状況と答えの出る状況です。

1~2名の方の病態としては、腎炎、腎結石、中には腎癌、膀胱癌、尿管癌などもみつかることもあります。98~99名の方は全く治療は要せず、結果的には「痛くない腹を探られた形」になりますが、1~2名の方を見逃さないための検査と理解していただくように説明しています。

検査の内容については施設によって多少異なります血液検査、尿顕微鏡検査、尿細胞診、レントゲン造影検査、腎超音波検査、時には膀胱鏡検査などがあります。

健康診断の本来の意味を考え、必要とならば検査を受けるようにしたいものです。 

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