本日は前回のクラミジア感染症につづいて淋病について述べたいと
思います。

淋菌感染症は性感染症として男性に尿道炎、前立腺炎、女性に膣炎、子宮頸管炎を起こす代表的な菌の一つです。
その記載は古く聖書にも書かれているそうです。ペニシリンが発見されるまでは梅毒とならんで全世界で流行していました。

梅毒は鎮静化しましたが、淋菌は各種の薬剤にも耐性株(以前はその薬剤でよく効いていたのに、変異株が出現し、その薬剤では退治でき
ない株が出現する)が次々と出現して現在でも、クラミジアトリコモナスに
ついで流行しています。

早期治療ができないと男性では尿道炎、前立腺炎、副睾丸炎と波及しますし、女性では膣炎、子宮頸管炎、卵管炎、骨盤内炎症性疾患、腹膜炎と拡がっていきます。
通常、性的な接触から2~7日の潜伏期を経て、多量の膿性分泌物が
みられ、尿道不快感、排尿時痛、頻尿、残尿感などが出現します。
女性では当初、膀胱尿道の症状は少なく、男性に比べて症状が軽い
のが常です。

このことが、複数の性パートナーを持つ場合、更に感染が拡がっていく原因となります。また性行為の多様化に伴ってOralSexで咽頭部に菌が生息し(この場合も臨床病例は少ない)、更に他の性パートナーに拡がっていくことがあります。最近の臨床例の統計でもOralSexで感染している例が増加しています。注意したいものです。

診断は男性では尿で、女性では膣分泌物で遺伝子増強法という手技を用いて高い感度で可能となっています。淋菌感染症とクラミジアトリコモナス感染症は複合感染している例も多く、日常臨床では2つの菌を
チェックすることが多い。

淋菌感染症にはペニシリン系、セフェム系、ニューキノロン系、ラトラサイクリン系などの薬剤が有効であるが、中には前述したように耐性株もみられるので注意深い観察が大切です。

また完治していないのに途中で治療を中断することは、病状を拡大させ遷延さすことにつながります。確実に退治できたのを確認して治療を終了すべきと思います。

予防にはコンドームの使用が効果的ですが、沢山の性パートナーを持つのもいましめる必要があると考えます。