本日は腰痛と泌尿器科的疾患について述べたいと思います。

痛みを発する臓器または器官は腎、尿管、筋肉、靭帯、骨、腸などが考えられます。

腎については、まず腎盂腎炎、腎盂炎を引き起こす尿路感染症があります。ほとんどが経尿道的に菌が侵入し、膀胱を経て腎に達する逆行性感染です。高い発熱と患側の腰痛(特にその部分を叩かれると痛みが強くなる)があります。この原因となっている菌に有効な抗生物質を用いて治療を行います。腎盂腎炎を反復する場合は、膀胱尿管逆流症などが無いか検査しておくことが大切です。腎盂腎炎が反復すると徐々に腎機能が低下して働かなくなることがあります。子供では特に注意が必要です。

次に腎結石があります。全く動かない時は症状がないのですが結石が動き出すと鈍痛を来たすことになります。時に血尿を伴います。腎下垂(右側に多い)でも立位を長くとっていると腰背部に重い感じ(時に痛みに近い)が強くなります。痩せた、筋肉の少ない人に多くみられ、胃下垂の合併がよくみらます。

尿管では尿管結石が代表的で、痛みの中でも最も厳しい「仙痛」を伴います。尿管の中を小結石が腎から膀胱まで下降している時に痛みが発せられます。結石の下降が止まると痛みは和らぎます。腎から下降しない大きな石では仙痛は起りません。

整形外科領域の筋、靭帯、骨の病態では腹斜筋、腹横筋、腹直筋、腸腰筋、腰方形筋、横突起間質などの捻挫、挫傷、椎間板ヘルニア、骨粗鬆症(骨が若さを失いもろくなる)による圧迫骨折などが代表的です。多くは患部を動かした時に強い痛みを感じます。安静を保つと痛みは減弱します。

一方、骨の病変で腫瘍性変化で痛みを発するものがあります。前立腺を始め、腎、胃、大腸、肺、子宮などが原発のがんが背骨に転移して強い痛みを出すことがあります。進行すれば骨が潰れて脊髄が損傷され、下半身麻痺になるようなこともあります。これらの腰痛は進行性であり、他の症状(原発の臓器の症状)を伴っています。早く主治医に相談して下さい。

前立腺がんは好んで骨に転移することがあります。前立腺特異抗原(PSA)をチェックすることで見つけることが可能です。50才以上では1年に1回程度、検診と考え測定しておきたいと思います。

時に軽くチクチクと弱い痛みがあり、日常は忘れていることが多いのに、便秘や腸内ガスの移動に伴ったものがあります。全く心配は不要なのですが、進行性に頻回になってくると、大腸の疾患なども関連してくることがあります。進行性の場合は検査が必要となります。