本日は前立腺がんについて述べたいと思います。
その(1)では前立腺がんの発生について、その(2)では診断について、その(3)では治療について述べたいと思います。

わが国の前立腺がんは30~40年前にはそれほど多くなかったのですが、最近増加してきていると言われています。日本人男性の臓器別がん発生頻度よりみますと、2000年度では胃、肺、肝、大腸、直腸、前立腺と6番目に位置します。現在の発生率を国別でみるとノルウェー、スイス、ポルトガル、スエーデン、デンマークなどヨーロッパの国々が上位を占めます。米国は11位、日本は41位となります。

2000年度の日本の前立腺がんの発生数は12,783名となっています。国別の差は人種の遺伝的要素の差と言える部分もありますが、多くは食事内容や生活習慣の差といえます。日系二世米国人では日本国内の約2倍の発生率になっていることより、食事内容や生活習慣病の影響は大と思われます。高蛋白、高脂質の食事が関与していると言うデータも出ています。

50才を超えると発生の可能性は増加してきます。症状は当初、前立腺肥大症とほぼ同じようなもので、排尿困難、頻尿、下腹部不快感などです。最近、市民健診や社内健診で前立腺の腫瘍マーカー(前立腺がんが存在すると上昇する)を測定するところも出てきています。早期に発見できると色々の治療法があり、治癒も十分可能になってきています。健康を守るためにも健診を受けることが大切と考えます。

次号では前立腺がんの診断について触れたいと思います。