本日は腎機能の働きとその障害について述べます。

よく知られているように腎臓は血液中の老廃物を尿中に溶せて体外に排出するとともに、体内の水分及び電解質(ナトリウム、カリウム、クロールなど)を一定に保つ役割を担っています。

これには腎実質(腎の肉の部分)内に存在する尿を作る最小単位であるネフロン(腎小体と尿細管)で尿が生成され、腎杯から腎盂に向けて
尿が分泌されることと、腎盂に貯まった尿は尿管から膀胱を経て、尿道から対外へ排出されることによって成り立っています(図参照)。

この尿を生成する工程、腎盂の尿を体外に排出する工程、どちらかが問題を起こしても腎機能は障害され、高度で長期にわたると命に関わることになります。

まず尿を生成する工程をみてみます。極度の脱水は尿の生成を障害し、急性腎不全となります。夏の炎天下、水分の補給を怠って熱射病から腎不全、死亡に至る状況です。急性腎炎、慢性腎炎、糖尿病性腎炎などの原因によりネフロンが広く荒廃し、尿の生成が出来なくなったり、また、尿道膀胱からの逆行性尿路感染症による腎盂腎炎が反復することによってネフロンの荒廃がおこるなどの原因になります。いずれも尿の
検査、血液の検査で初期の状況で把握し、必要な治療につなげることが大切です。

次に尿を体外へ排出する工程をみてみます。腎杯部分で作られた腎結石が腎盂から尿管へ移動し、尿の流れを止めてしまった場合、しかも、もし両側の尿管で同時に尿の流れが止まると尿の圧力が腎杯から腎内へ伝わり、腎臓が腫れて結果的に腎不全に移行します。また、前立腺肥大症や前立腺癌、また尿道狭窄などで膀胱よりうまく尿を排出できない尿閉状況となり、これを放置するとやはり腎不全に至ります。

極度の脱水、急性腎炎を除いて他の原因では経過は長いことが多く、
市民健診や学校社内健診でチェックできることが多いと思われますので必ず年に1回程度の健診は受けるべきと考えます。