前回は腎機能とその障害について述べましたが、今回は同じ腎臓に関する病気でも、どの科がより専門的に対応するかについて述べてみたいと思います。

①きびしい扁桃腺炎の後にくる溶連菌による急性糸球体腎炎や慢性腎炎、②ネフローゼ症候群、③糖尿病性腎症、④自己免疫疾患(自分の免疫機構が自分の体を誤って攻撃する病気、慢性腎炎もこれの一種と考える意見もある)など、両側の腎臓が同じように侵されてくる病気の場合、小児であれば小児科、成人であれば腎臓内科が担当することになります。これらの疾患は手術の対象とはならず、主に薬物治療が行われます。

一方、①逆行性に尿道から膀胱を経て腎臓へ菌が入り高い熱を出し、強い腰部痛を伴い、ほとんど一側性の腎盂炎、腎盂腎炎や、②腎結石、尿管結石などで血尿が出たり、腎臓が腫れたり(水腎症)、痛みが出たり、また③腎癌や腎盂癌、尿管癌、さらには④交通事故などによる腎外傷などは泌尿器科が担当することになります。ほとんどが一側性の病態で、時に外科的治療の対象になります。

例外としましては、両側の膀胱尿管逆流などがあり、両側の腎盂腎炎が起こり、両腎機能の低下するようなこともあります。もし一側の腎機能が消失したり、何らかの理由で片方の腎剔出術を行ったりして、働いている腎臓が一つになったとしても、残りの腎臓が正常の場合、充分な予備機能がありますのでまず心配はありません。

しかし、不幸にして、両側腎機能が低下し、血液検査の値でクレアチニン(Cre)8~9㎎/dl以上、尿素窒素(BUN)80~90㎎/dl以上では腎不全状況となり、このままでは死に至ります。腹膜透析法(CAPD)や血液透析(HD)が必要となります。施設によって多少異なりますが、CAPDの場合腹腔内へ管を挿入したり、HDの場合動脈と静脈のシャント造設術を行うのが泌尿器科で、実際この治療継続し管理していくのが腎臓内科が担うことが一般的と思われます。

いずれにしても境界領域では互いに専門性を生して協力しているのが現況です。