本日は中高年女性の膀胱炎症状について述べます。

膀胱炎症状と言えば排尿痛、残尿感、頻尿、下腹部不快感などが代表的な症状です。原因としては大腸菌をはじめ多くの細菌によって引き起こされるのですが、時に細菌以外の原因で膀胱炎症状を呈する病態があります。

膀胱を支えている骨盤底筋の緩みに起因する膀胱下垂や(図1)、更年期で女性ホルモンの分泌が低下することによって外陰部(膣、膣前庭部、尿道を含む)が萎縮し、外尿道口が狭くなる状態がこれに当たります(図2)。

細菌性膀胱炎では尿の顕微鏡検査で白血球(膿球)を多く認め、尿の培養検査で起炎菌を検出することができます。一方、膀胱下垂や外尿道に狭窄では膀胱炎症状は有するものの、尿中白血球、細菌は検出されません。細菌性膀胱炎では起炎菌に感受性を持つ抗生物質の内服で症状は速やかに消失しますが、膀胱下垂や外尿道口狭窄では症状の改善はありません。

膀胱下垂では程度が軽度の場合は骨盤筋体操(肛門括約筋を閉めて肛門を引き上げるようにする)を繰り返すことによりある程度、症状の改善を得ることができます。症状が中等度になりますと骨盤筋体操と薬物(膀胱頸部の緊張を高める)の併用で改善をはかることが可能です。下垂が高度で尿失禁を伴っている場合はペッサリーの使用や手術が必要となります。また、外尿道に狭窄では狭い部分を拡張する器具(ブジアブール)を使用して拡張します。時には一部切開を行うこともあります。

狭窄部分が解除されますと排尿はスムーズとなり、膀胱炎症状は消失します。

膀胱炎症状が長く続く場合は専門医にご相談下さい。