本日は最近話題となり、テレビなどで取り上げられている前立腺がんについて述べます。

前立腺は膀胱の直下に尿道を取り囲むように位置し、精子のミルクに当たる粘液を産出し、精巣(睾丸)で作られた精子とこの粘液を混じて射精する働きをします。したがって前立腺は男性にしかありません。

前立腺には前立腺肥大症、前立腺炎、前立腺がんの病態があります。前立腺肥大は尿道周囲に発生する良性腫瘍で組織学的には筋腫(女性では子宮筋腫に似ている)です。

一方、前立腺がんは尿道より遠い部分(直腸に近い部分)に発生し組織学的には腺上皮がんです。病理学的に前立腺がんは悪性度の強い未分化がんと比較的悪性度の低い分化がん及び両者の中間型の3者に分類されます。悪性度の強いものでは骨や肺、リンパ節などに転移をしたり、直腸や膀胱、尿道、精のうなどに侵入します。しかし一般的には胃がんや肺がん、直腸がんと比較しますと、やや足の遅い感はあると思います。

前立腺がんの診断には①PSA(前立腺特異抗原)と呼ばれる腫瘍マーカーの測定②直腸からの前立腺の触診(指診)③前立腺超音波(エコー)検査④CT、MRIなどの画像検査が有用です。確定診断には前立腺の一部を針で取って顕微鏡で病理学的に検査することが必要です。最近、市町村の健診や会社の健診で50才以上の男性にPSA測定を取り入れているところも出てきました。②③④は専門医の受診が必要ですがPSAの測定は普通に血液を取って検査できますので一般血液検査の時に行うことが可能です。極く早期の病変でも上昇しますので早期発見につながります。

一般的に女性では乳がん健診、子宮がん健診を年に1回程度行っていることが多いと思います。男性も45~50才以後は年に1回PSA測定を行うことが望ましいと思います。早期発見、早期治療につなげたいものです。